box 4 ✔> 鍾乳洞に拇指と藥指をあてて、肩をおとし、息をついた> 森の小徑は露しげく、濡れ、谷底ちかくに咲く花を思わせた > わたしの心臓。蝉の姿はついぞ見えず、降雨期にみのった > 虹よ、寒暖すさまじいエジプトの夜のように・・・ > > わたしたちの歌は、行方なく木霊する過去――― > > 分解する完全な死体に蛆がたかり、我等の食物は、我等の水は > 瞼毛をかざるしろい結晶、餓え、また貪る動物のごとし > ああ、わたしの唇。軍手が落ち、ティッシュが落ち、ゴミは > 人工と自然のあいだで、ヴェノスアイレス・・・ > > わたしたちの歌は、樹々の合間をぬけてゆく栗鼠――― > > (・・・遠い過去、わたしたちは戦争をしていた。 > 気体がイオン化してプラズマを生じさせている。 > 火。それが水質・土壌・大気などを汚染する。 > それを消すため、CO2を充満させて・・・) > > わたしたちは二千年かけて、静止しているかに見えた彫刻を > 酸化させた・・・生命は硝子のように、その身を硬質化した、 > 我々は鏡をみている、氷山をみている、白熊をみている、 > ああ、ねむれる獅子の我がまぬこに、紅い血潮が滾り・・・ > > わたしたちの歌は、重い雲に遮られて届かないサイレンの音 > いやSOS、救難信号のようだ――― > > (・・・遠い過去、衣食住を洗練させてきた。 > 星かげの涼しさよ、葉よりこぼれおちた甘い雫よ > 水。おまえが畑に群れをつくった、おまえが風の音を聴いた、 > おまえはなんの為・・・? 裸婦のように横たわった・・・) > > わたしたちの歌は、豊穣である、なぜならわたしたち詩人は、 > ものみなすべてに愛されているから――― > > > * * * ジャンル別一覧
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